県政・県議会 - 定例会

平成31年第1回定例会 一般質問 答弁を公開します

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◎知事 佐藤議員の一般質問にお答えいたします。河川などの土砂撤去についての御質問がございました。近年、全国各地において集中豪雨による被害が多発をする中、県民の安全・安心の確保はこれまで以上に重要な課題になっておるわけであります。このため、災害の未然防止に大きな効果を上げてきた堆積土砂の除去を、河川の維持管理という観点ではなく災害予防対策として国庫補助の対象にするよう機会あるごとに国に強く働きかけをしてまいりましたところ、今回の国の補正予算及び来年度の予算案に近年甚化する自然災害を踏まえた3ヵ年の緊急対策として堆積土砂の除去が盛り込まれたところであります。県ではこれを最大限に活用して、対策が必要な約80河川、砂防堰堤約50ヵ所全てについて再来年、2021年の出水期までに堆積土砂の除去を行うことにいたしております。県民の安全・安心の確保に向け、今後とも水害・土砂災害対策にはしっかりと取り組んでまいりたい、こういう考えでございます。

◎東高士総務部長 私からはまず消費税率引き上げ時の県関係施設の使用料、手数料の対応についてお答え申し上げます。地方公共団体が行うサービスの提供につきましては、一部のものを除きまして民間事業者と同様に消費税の課税対象とされているところでございます。このため今般、使用料、手数料について消費税の引き上げがなされた平成9年や平成26年と同様に税率引き上げ分を上乗せし改定をするとされていただいたところでございます。

 なお、各施設の入場料等について、子ども料金は無料もしくは有料であっても大人よりも安く設定をしているということ、それから引き上げ額が10円未満の場合は切り捨て処理をしているということなどのために、計算の結果、引き上げとなった施設は多くなく、例えば、いしかわ動物園やのとじま水族館、ふれあい昆虫館などの子ども料金は引き上げとはなっていないところでございます。また、障がいをお持ちの方の場合は減免の対象となることが多いという状況でございます。

 次にF-35戦闘機についての御質問がございましたが、F-35A戦闘機につきましては平成23年12月の国家安全保障会議において次期戦闘機として42機を取得することが決定されさらに昨年12月の国家安全保障会議において105機を追加し、合計で147機を取得することが決定されたと承知してございます。議員御指摘のF-35戦闘機の未解決の課題につきましては、去る2月15日の衆議院予算委員会において岩屋防衛大臣から「我が国が導入するF-35Aの機体については運用能力や飛行の安全性等に影響を及ぼすような課題はないことが判明している」と、そういった旨の答弁がなされたと聞いているところでございます。いずれにしましても、戦闘機の配備を含む防衛に関することは国の専管事項でございまして、国においてしっかり対応してもらいたいと考えてございます。

 また、本県の標準財政規模に対する投資的経費の割合についての御質問につきましては、直近の平成28年度の数値でみますと31.7%となっておりまして、全国平均の28.5%を上回っており、全国では高いほうから数えて15位となっているところでございます。以上でございます。

◎吉住秀夫企画振興部長 私のほうから最初に日立製作所の例を通じまして原発推進政策がビジネスとして成り立たないのではないかという話ですが、国におきましてはエネルギー基本計画の中で原子力の位置づけといたしまして、世界の平和的な利用あるいは原子力安全への積極的な貢献といった趣旨を記載する一方で、原子力発電に関する個々の事業につきましてはその主体であります民間事業者が各社の経営判断に基づき実施するものというふうにしていると承知しておりまして、本県におきましても同様のものというふうに考えております。

 次に再生可能エネルギーの供給を100%にする計画をつくれるよう支援すべきではないかということでございますが、国におきましては長期エネルギー需給の見通し、いわゆるエネルギーミックスにおきまして、2030年度の電源構成といたしまして原子力を20%から22%、化石燃料、石油、石炭等を56%、太陽光や水力などの再生可能エネルギーを22%から24%ということにすることが示されております。このようなエネルギー源の分散につきましては、安全性や安定供給等の観点を踏まえつつ、環境適合に関する政策目標が同時達成できるよう構成されているものというふうに承知しております。本県におきましても、こうしたエネルギーミックスの国の方向性を踏まえた対応を図っていくべきというふうに考えております。

 地域おこし協力隊の部分でございますが、地域おこし協力隊は都市部の若者等が最長3年の任期の間、地域において観光振興や農業振興などの活動を行いつつ、その地域への定住を図る取り組みとして各市町が実施しており、県としてもこれを支援しているところでございます。具体的には、市町が隊員募集についてPRするためのセミナー開催や、市町職員や隊員を対象といたしました研修会の実施等を行ってきたところでございます。他方、全国的な隊員募集の増加への対応、県内における隊員活動の増加、多様化に伴いまして個別の事案に応じたサポートも必要というふうになってきております。このため、来年度はホームページの充実など募集に関する支援の充実を図るとともに、市町職員や隊員向けの相談窓口を設置し、必要に応じて専門的な知識等を有するアドバイザーを派遣するということとしたところでございます。

◎表正人県民文化スポーツ部長 統計専任職員の人数についてお答えいたします。都道府県の統計主管課におきまして、国から19の基幹統計調査を受託するため国庫負担の統計専任職員が配置されております。この国庫負担の統計専任職員の人数についてでありますが、過去の統計調査におきましては県で調査表を配布、回収、審査していたものが、近年では国による統計調査のオンライン化が進みまして、スマートフォンやパソコンを活用して事業所等から国への直接回答が可能になったこと、それから一定規模以上の事業所等については国が直接調査を行ってきたところでありますが、その対象となる事業所等の範囲が拡大されてきていることなど、県の統計専任職員の業務量が軽減されたことによりまして、本県におきましては平成16年の31人から今年度は24人と7人減少しているところであります。以上でございます。

◎片岡穣健康福祉部長 私から初めに国民健康保険に関連し保険料抑制のための対応についてお答え申し上げます。市町から県に納めていただく来年度の納付金につきましては、先般国の通知に基づき算定を行い各市町にお示ししたところでございますが、その額につきましては高齢化の影響等により医療費の増加が見込まれますことから今年度に比べ増加する経過となっております。

 なお、各市町における実際の保険料につきましては、県が示した納付金額をもとに今後各市町がそれぞれの地域の実情に応じて法定外繰り入れ等を行うか否かを含め、みずからの判断で決定することとなっております。現在、各市町では保険料の決定に向けてまさに検討作業が進められているところでございます。県では、現行の保険料を前提に最終的な住民負担への配慮の観点も踏まえた検討が重要であるという国の考え方も各市町にお伝えをしながら丁寧な検討をお願いしているところでございます。

 また、保険料の算定方法の見直しと公費投入のあり方についてのお尋ねがございました。国民健康保険につきましては、高齢者が多く医療費水準が高い一方で、低所得者層が多いことから他の医療保険制度に比べて加入者の保険料負担が重くなるといった構造的な問題を抱えてございます。このため、国は加入者の負担軽減を図るため、昨年4月の制度改革の実施に合わせ、公費の追加投資などにより国保の財政基盤を大幅に強化したところでございます。

 県といたしましても、国保財政の安定化のため毎年多額の財政負担を行っているところでございまして、さらに国保加入者の保険料引き下げを目的として税により国保加入者以外の方にも新たな負担を求めて県独自の財政支援を行うことは考えてはいないところでございます。しかしながら、国民健康保険につきましては全国共通の課題といたしまして高齢化の進展などに伴う医療費の増加により加入者の負担増が懸念されておりますことから、国の責任のもと、将来にわたって持続可能な制度としていく必要があると考えておりまして、県では全国知事会を通じて国に対し、医療保険制度間の公平と今後の医療費の増嵩に耐え得る財政基盤の確立を図るため、さまざまな財政支援策を講じるよう働きかけをしてきたところでございまして、引き続き国に対し、しっかりと要望してまいりたいと考えております。

 次に、児童虐待防止に向けた県の対応方策についてのお尋ねがございました。本県では県が設置をする中央児童相談所と七尾児童相談所のほか、金沢市が設置する金沢市児童相談所の3ヵ所におきまして児童虐待への対応に当たってございます。県の児童相談所における児童福祉司につきましては、現在国の配置基準で必要とされている14人を上回る18人を配置するとともに、これらの児童福祉司に対しましては相談技術の向上のための研修を実施するなど、専門性の向上にも努めているところでございます。

 国では昨年12月に2019年度から2022年度までの4年間で児童福祉司を2,020人程度増員することとしておりましたが、今般の千葉県野田市の事案を受け、今月8日に2019年度中に1,070人程度を前倒しで増員させる方針を示したところでございます。現時点では国から前倒しの増員についての具体的な考え方は示されておりませんが、国の動向を注視しながら児童福祉司の適正な配置に努めますとともに、引き続き児童福祉司の専門性向上への取り組みも行いながら児童相談所の体制強化に努めてまいりたいと考えてございます。以上でございます。

◎徳田博商工労働部長 消費税増税に関しまして実質家計消費、実質賃金、増税による影響についてお答えをいたします。実質家庭消費及び実質賃金が平成26年、2014年の前回の消費税の引き上げ前に比べてマイナスになっていることにつきましては、国会で議論が行われ、安倍総理や関係大臣から答弁がなされております。それによりますと、「実質家庭消費は前回の消費税の引き上げの前後で大きな駆け込み需要と反動減が起こり、現在は引き上げ前の水準とはなっていないが、2016年異国増加傾向にある。また、今回の引き上げに当たっては前回の経験を活かし、駆け込み需要と反動減を平準化するための十二分な対応を講ずる」旨の答弁がなされたと承知しており、国の予算案においては、消費税増税に伴う景気の腰折れをさせないというメッセージが出ているところでございます。

 なお実質賃金につきましては、伸び悩んでいる要因として「前回の消費税引き上げの影響に加え、景気が回復をし雇用が増加する中、女性や高齢者などパートなどで働く人が増えていることなどから一人当たり平均賃金が低くなり、実質賃金を下げる要因となっている」と答弁がなされたと承知をしております。県といたしましては、消費税引き上げの県内経済の状況について十分に注視してまいりたいと考えております。以上でございます。

◎板屋英治土木部長 私のほうからは3点お答えいたします。まず無量寺壁に関する御質問にお答えいたします。国が所管する無量寺岸壁につきましては、整備後40年以上が経過したことから、老朽化対策にあわせて大規模地震に備えた耐震強化岸壁に再整備するとともに、近年のクルーズ船の大型化に対応するため国直轄事業で整備しているものでございまして、船会社や旅行業かいからの費用負担はないと国から聞いております。また、岸壁を使用した場合の使用料につきましては、県が条例を定めた単価をもとにクルーズ船、貨物船にかかわらず船舶のトン数や係留時間に応じた金額となっております。なお、岸壁使用料につきましては隣県の港と同レベルとなっているところでございます。

 次に木場潟公園の東園地についての御質問にお答えいたします。まず、木場潟公園東園地の事業費の負担につきましては、本事業は国の補助事業を活用して県が整備を行うものでございますことから、国費以外の財源は県費のみでございます、また、木場潟公園の計画区域につきましては昭和48年に木場潟周辺の優れた水郷風景の保全と県民の憩いの場を整備するため、潟周辺と東側一体の丘陵地の必要な区域を広域公園として都市計画決定したものでございます。なお、東園地側の雑木林につきましてはかつて燃料として薪や炭の材料の採取を目的とするいわゆる薪炭林として使われていたと聞いておりますが、薪炭林が現在の雑木林になった経緯やその一部の土地を小松製作所が取得した経緯については承知しておりません。

 次に、県管理河川の整備状況についてお答えいたします。河川改修につきましては、周辺に人家が連たんし、ひとたび災害が発生すると甚大な被害が想定される河川について重点的に整備を進めておりまして、本会議でお諮りしている予算により高橋川で河川の拡幅に伴う殿田橋の架け替え工事を進めるなど、県内16河川で改修を促進することとしております。改修が予定通り進捗した場合は、お尋ねの整備率につきましては来年度末時点で45.1%程度となる見込みでございます。今後とも県民の安全・安心の確保に向け、河川改修の促進に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。

◎田中新太郎教育長 初めに、非常勤講師の処遇改善について御質問がございました。公立学校に勤務する非常勤講師につきましては、例えば、音楽や美術など授業時数が少ない特定の教科を担当したり、初任者研修の指導員を務める教員の授業の一部を担当する。さらには複式授業を解消するために必要な授業を担当しており、校務分掌や部活指導等は担っておらず、授業のみに専念してもらっているところでございます。こうしたことから、勤務した授業時間の実績に応じて時間給で報酬を支給しているところでございますが、議員御指摘の勤務時間外に行う授業の準備なども考慮しまして報酬の時間単価を高く設定しているところでございます。

 次に会計年度任用職員制度の導入について御質問がございました。平成29年5月に地方公務員法等が改正をされ、地方公共団体における臨時・非常勤職員の任用制度について団体ごとにさまざまに運用されていた取り扱いを統一するとともに、これまでは労働者性が高い非常勤職員であっても支給できなかった期末手当を支給可能とするなど、民間における同一労働同一賃金に関する議論も踏まえ、給与上の処遇についても改善を図ることとされたものであります。これを踏まえ、県教委では2020年の法施行に向けまして現在具体の制度設計を進めているところでございまして、今後も引き続き知事部局や他県教育委員会の状況も注視しながら検討を深めていきたいと考えており、また適切な時期に職員団体との協議の場も設けたいと考えているところでございます。以上でございます。

◎坂井美紀夫選挙管理委員会委員長 佐藤議員からの御質問についてお答えいたします。県議会選挙におきましては、投票するためには県内に引き続き3ヵ月以上居住していることが必要であり、県外へ転出した場合はその時点で選挙権を失うため投票できなくなることとなります。一方、県内での異動の場合には新住所地で不在者投票あるいは旧住所地で投票を行うことが可能となります。また、参議院議員選挙を含めた国政選挙につきましては、県外へ転出後3ヵ月経過していない場合であっても新住所で不在者投票あるいは旧住所地で投票を行うことが可能となります。いずれの場合であっても、住民票を異動しなかった場合や不在者投票制度を知らないために投票ができないことが生じる恐れがあるため、県選挙管理委員会ではこれまで選挙出前講座などの機会を通じ、高校生をはじめとして若者に対し、こうしたことについての周知に努めてきたところでございます。今後とも県選挙管理委員会といたしましては、市町選挙管理委員会等との連携を一層図りながら若年層をはじめとした有権者に対し、ひとりでも多くの投票参加につながるよう周知啓発にしっかりと取り組んでまいりたい、このように考えております。以上でございます。

◎佐藤正幸委員 知事に1点だけ再質問されていただきます。国保の問題ですが、これは知事もお認めになっていると思います。そこで、知事会副会長としての積極的なイニシアチブを発揮してほしいと私は要望もしておりますので、その姿勢がまだ不十分だというふうに私は思いましたので、ぜひ今までどういう努力をされてきたのか、今後はどんな決意でこの構造的な問題を解決されようとするのか、そこを1点お聞きしたいと思います。

◎知事 確かに国民健康保険事業というのは高齢化が進んでおりますよね。そういう中で非常に構造的な問題を抱えておる。後期高齢者医療制度ができたので75歳以上はそういう下へはいれますから従来より少し改善されている部分はあると思いますけれども、それでも構造的な問題があります。これは一石川県の問題ということではない。私は知事会の副会長をしてはおりますけれども、やはり知事会全体としてこれは取り組むべき問題。私だけが突出してやるべき問題でもないので、これは知事会全体として問題を共有しておりますからこそ知事会として国に対してこういう構造的な問題にどう対応するのか、その改善策を要望しておるということでありますから、この点はぜひ御理解いただきたい、このように思う次第であります。

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