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厚生文教委員会 健康福祉部関係(9.24)質疑答弁を公開します。

◎佐藤正幸委員 私も児童虐待に関係してお聞きしたいのですけど、今、部長からも説明があり、和田内委員からもあったように、虐待が起こってからではやはり保護者も子供も傷つくということで、その前の予防がすごく大事で、やはり養育の困難に気づいて支援につなげるとか、そうした支援ができるのは、地域における身近な支援だと思うのです。

 育児で孤立した状況を強いられたり、困難を抱えているお母さんなどは、児童相談所に行くまでに敷居が高い場合もあるのではないかと思います。もっと敷居が低くて、なかなか言いにくいことも声にならない声も聞き取られて、それがまた認められてきめ細かな支援ができるようにとか、あるいは家庭訪問に行って家事、育児、一緒に手伝いながらいろいろな困難を聞くとか、そういうような支援も必要ではないかと考えるのですが、そのような実践などは県内で何か行われているのかどうか、このあたり県としてはどうお考えでしょうか。

◎北野喜樹健康福祉部長 今ほど育児の孤立化というようなお話もありましたけれども、児童虐待が起こる背景にはさまざまな要因があると言われています。核家族化の進展や地域社会のつながりの希薄化によって、地域そのものの子育て力の低下があり、家庭での子育てが孤立化しやすくなっているということもその一つであると言われています。

 そのため、県としましては、子育て世帯の育児不安の解消、あるいは育児負担の軽減を図るということは、児童虐待の未然の防止にも大切なことだと考えておりまして、市町と連携を図りながら、例えば保健師が全ての新生児家庭を訪問しまして相談支援を行うこんにちは赤ちゃん事業とか、子育て家庭へ出向きまして育児や家事援助も行う産後ヘルパーの派遣事業といったものを実施しまして、あとはそのほか、子供の乳幼児の健診の際にもいろいろな御相談も伺ったりしていますし、そうした形でできる限り子育て家庭の育児不安の解消には取り組んでいきたいというところです。

◎佐藤正幸委員 今ほど部長からもありましたように、これまでの取り組みを総点検して、今後具体的な対策も検討していくということですので、ぜひ今言った角度で具体化していただきたいと思います。

 あともう一つ、後期高齢者医療制度についてお聞きしておきたいことがありまして、この後期高齢者医療制度は、8割の人はいわゆる保険料が年金から天引きされる特別徴収だと思っています。一方、低所得者の方を中心にして直接お金を払う普通徴収というものがあると思うのですが、この普通徴収の方は、年金が月1万5,000円とか無年金の方々もいて、非常に生活が苦しい実態があるのですけれども、ただそれでも、保険料が払えず滞納になって滞納処分がふえているということが国会でも明らかになっています。

 それで、県内の実態をお聞きしたいのですけど、まず滞納者数です。それから滞納額、これは全国的には減少しているようですけど、石川県の場合は2009年、それから2017年と、滞納者数と滞納額、それぞれどう推移してきているのか、お聞きしたいと思います。

◎北野喜樹健康福祉部長 本県の後期高齢者医療制度におけます保険料の滞納状況については、今ほどお尋ねのありました2009年と2017年の比較ですが、滞納者の数は2,570人から1,654人へ900人ほど減っています。滞納額についても約5,140万円から約4,900万円と約240万円減少していまして、全国の状況同様、いずれも減少しているところです。

◎佐藤正幸委員 ところが滞納処分は、これは全国的にもふえているということです。では、我が県の場合は滞納処分の件数は09年、それから2017年とそれぞれ何件ぐらいになっているのでしょうか。

◎北野喜樹健康福祉部長 滞納処分、いわゆる差し押さえの件数については、2009年度(平成21年度)は12件、2017年度(平成29年度)では16件となっていまして、4件ふえているところです。

◎佐藤正幸委員 そうしますと、2017年度は滞納者数が1,654人、滞納処分が16件ということですので、そうすると約1%の処分率です。1%ぐらいということです。滞納額は、そうすると1人当たりとすると、4,900万円で処分件数が16件なので、どうなるでしょう、300万円ぐらいですか。

◎北野喜樹健康福祉部長 4,900万円は滞納全部ですから、それをすべて差し押さえしたわけではありません。

◎佐藤正幸委員 全部差し押さえしたわけではないということですね。

 結局、滞納者数も額も減っているのに滞納処分がふえているという状況になっていて、これはやはり、そういう処分が厳しくなってきていると言えるのではないかと私は思いますので、ぜひそういう方々に、生活の実態に見合ってきちんとした必要な支援を行う、言葉悪いですけど、無慈悲に差し押さえをするようなことのないようにぜひお願いをして、質問を終わりたいと思います。

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