県政・県議会 - 委員会

総務企画委員会 質疑答弁全文を公開します -2-

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~企画振興部・県民文化局関係~

佐藤正幸委員

 私最初にIRいしかわの現状についてお聞きしたいと思うんですけど、新聞報道でも2015年の運賃収人が当初予定の9億円を大きく上回って13億円余になったとか、今度の知事の提出議案でも新幹線開業効果によりとこうなっているんですけど、もっと具体的にお聞きしたいんです。いわゆる新幹線開業効果でどこにどんな人の流れで運賃収入がふえたのかというあたりをもう少し教えていただければというふうに思うんですけど、そこはいかがでしよっか。

東高士企画振興部長

 IRいしかわ鉄道についてでございますけれども、新幹線の金沢開業効果によりまして定期外の利用の方を中心に好調な利用の状況が続いているということでございまして、平成27年度の1日当たりの利用者数は当初想定の約1.2倍というふうになってございます。定期外利用者について中身を見てみますと、例えばJR七尾線に直通運転しておりますIR区間の特急列車の利用者の方が当初想定の約2.3倍というふうになっておりまして、金沢に来ていただいた観光客の皆様などが能登方面ヘの特急の「能登かがり火」ですとか観光列車の「花嫁のれん」などの列車を利用していただいたのではていかというふうに考えているところです。引き統き、県と市町一体となって利用促進に努めてまいりたいと考えております。

 佐藤正幸委員

 能登方面ヘの御利用がふえたという、これはこれで非常にいいことだと思うんですけど、今後も単純にこのまま順調にいくとは思えませんけれども、ただ私は6年目以降、運賃の値上げをー応計画しているというふうに思うんですけれども、ぜひ今後も努力していただいて、運賃の値上げについては中止あるいは延期ということを含めて検討してほしいと思いますし、特に通学定期、今据え置きしておりますけど、これは6年目以降1.05倍の方向ですけど、これも例えば中止なり延期なりという方法でぜひ検討してもどうかなというふうに思うんですけど、その辺の今の県のお立場とかお尋ねしておきたいと思います。 

東高士企画振興部長

 今、御紹介もありましたけれども、平成25年3月に策定しました石川県並行在来線経営計画では、開業後10年間の累計の収支を予測をしてございまして、運行支援基金、これによる支援と適正な運貨水準の設定によりまして収支均衡を図るということにしております。運賃については、1年目から5年目までは激変緩和のためJRの時代と比較して1.09倍程度、6年目以降は平均1.14倍程度にするということで、並行在来線の先行事例等を比べましても大きく下回る水準に既に抑制した計画になっているということです。先ほどからお話ありました平成27年度については、その金沢開業効果によります想定外の旅客収入の増ですとか、JRから鉄道資産を讓渡される際に讓渡前にJRが十分な修繕を実施していただいたことによる修繕費の減、暖冬による除雪費の減などの特殊要因が重なって黒宇が出ているということ。さらに、IRいしかわの今後の経営状況については、人口減少社会の進展ということを考えますと決して楽観できるものではないという状況でございまして、こうした状況を踏まえますと経営の根幹を成す運賃水準、これの見直しについては中長期的な収支の状況を見きわめながら慎重に考えていく必要があるだろうというふうに考えているところです。 

佐藤正幸委員

ぜひ住民の足を守るという立場で頑張っていただきたいと思います。次に私、北陸新幹線の地震対策についても、せっかくの機会なんでお尋ねしておきたいと思うんですけど、熊本地震では九州新幹線の回送列車が脱線をしたと。北陸新幹線も石川県に加えて富山県にもある断層帯を横切っていると思うんですよね。専門家によると、新幹線に設置してある早期地震検知システムというんですか、これは今回のような直下型地震では余り効果が期待できないと,いう指摘もあるんですね。いわゆる地震波が到達してか揺れ始めまで時間差が小さいので、この検知システムがうまく作動しないのではないかという指摘もあります。そのことを含めて、北陸新幹線の地震対策どうなっているのか、県としてはそこはどう認識されているのかお尋ねしておきたいと思います。

 東高士企画振興部長

新幹線の地震対策でございますけれども、平成16年の新潟県中越地震におきまして営業中の新幹線が初めて脱線したということを踏まえまして、国土交通省がJR各社、鉄道·運輸機構、鉄道総合技術研究所とともに新幹線脱線対策協議会というのを設けまして、高架橋などの構造物の耐震補強や技術開発が進められてきているというところです。国土交通省は毎年度末にその取り組みの進捗状況を公表しておりますけれども、これによれば高架橋など構造物の耐震補強、それから地震時に列車を早期に停止させる早期地震検知警報システムの整備、さらに地震時に列車の脱線査極力防止し、仮に脱線した場合においても線路から大きく逸脱することを防止する装置の設置、こういった対策がJR各社において進められているというふうに承知をしております。九州新幹線については、報道によりますと熊本地震の際には地震波の到達から揺れ始めまでの時間差が小さかったということがございまして、早期地震検知警報システムが機能はしたんだけれども脱線をしたというふうに報道されておりますが、一方で逸脱を防止する車両側の装置ですとか、大きく逸脱することを防止する装置は整備されていなかったということのようです。北陸新幹線でございますけれども、基本的に阪神·淡路大震災を受け制定された耐震設計にのっとって高架橋等を設計されておりまして、それ以前の耐震設計で整備されたものについては対策を済ませているというふうに聞いておりますし、早期地震検知警報システムは導人済みで緊急地震速報の導入など機能強化がさらに図られていると。さらに、車両の脱線を防止するガイドは全車両に設置済みで、その上で仮に車両が脱線し、ガイドがレールにひっかかった場合に、レールのずれを防止する装置、これによって線路から大きく逸脱することを防止するという装置でございますけれども、この装置については長野一金沢間の本線は設置済みというふうな状況であるというふうに伺っているところです。 

佐藤正幸委員

専門家によると、日本の新幹線というのはバックを想定してないらしいですね。中越地震のときに脱線した列車の後続の列車がトンネルの中で立ち往生して、救出するまで時間がかかったと。これバックできれば、ひゅーっとバックして。北陸新幹線の場合はトンネルが多いですから、その辺も大丈夫なのかなという不安もあるわけなんですね。そんな意味では、必要な対策を私はぜひJRにも求めてほしいというふうに思っております。最後の質問にしたいんですけど、IRいしかわ鉄道の地震対策どうなっているのかということもあわせて。特に土砂崩れがあって線路が寸断されてしまうような危険性がないのかどうかということを含めてどうなのかということを改めてお尋ねしておきたいと思います。

 東高士企画振興部長

IRいしかわ鉄道では輸送の安全の確保が最も重要なサービスであるという認識のもとに安全性の確保を最優先に運行に取り組んでいるというふうに聞いているところです。地震などの災害対策としましては、準規程でございますとか災害対策基本法に基づく防災に関する業務計團というのを策定しまして防災対策を推進しているというところでございまして、具体的には災害を予防し、列車運行の安全を確保するため検査等実施基準規程などに基づき、日ごろから車両や駅、線路、橋梁、トンネル等の計画的な点検、修繕を実施していると。さらに防災に関する業務計面に基づきまして地震などの災害に備え、自社での訓練のほか、JR西日本等と連携しまして列車が線路上で停止した場合などを想定した訓練を合同で実施するなど社員の教訓に取り組んでいるというところです。電車の整備や線路構造などの検査等実施基御指摘のありました土砂災害に関しましては、津幡町の倶利伽羅トンネル付近の九折地区と金沢市の百坂川地区が土砂災害警戒区域に指定されているということでございましたけれども、それぞれ県において対策工事を実施しておりまして、安全性を高めるための措置が既に講じられているところというふうに伺っているところです。いずれにしても輸送の安全性の確保が最も大切なことでございますので、日ごろから防災対策にしっかりとトンネルで地震による被害の軽減と旅客の安全や輸送の円滑化を図るようにIRに対して促してまいりたいと考えてございます。

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