核兵器禁止条約の第3回の締約国会議が、ニューヨークの国連本部で3日(現地)にはじまりました。
日本政府が参加を見送る中、日本共産党からは吉良よし子参議院議員と笠井亮前衆議院議員が参加しました。両氏は第3回締約国会議(3月3日~7日)の成功のために要請文を送付しました。
送付した要請文は次のとおりです。
核兵器禁止条約第3回締約国会議への要請文
2025年3月3日
核兵器禁止条約の第3回締約国会議の開催とその成功のために尽力されているすべての国と市民社会の代表に、心からの敬意と連帯を表明します。
本会議に日本政府が参加しないことは、きわめて遺憾です。私たちは唯一の戦争被爆国の政党として、日本国民の願いをみなさんにお伝えしたいと思います。
核兵器をめぐる重大な情勢のもとで、広島・長崎に原子爆弾が投下されてから80年目を迎えます。それだけに、この会議には、核兵器の使用を許さず、核兵器の禁止、廃絶を求める力強いメッセージを発することが期待されます。
核兵器禁止条約への支持と参加の広がりは希望の光です。日本原水爆被害者団体協議会のノーベル平和賞受賞は、私たちに新たな勇気を与えてくれています。被爆者をはじめとする市民社会と諸国政府の共同が、危機打開の道であることを確信し、以下の点を要請します。
1.被爆者と核実験被害者の証言を聞く機会を国際的にも、各国でも実現し、核兵器使用が破滅的な非人道的結末をもたらすことを世界に広げるイニシアチブの強化を求めます。本条約は「核兵器のあらゆる使用がもたらす破滅的な人道的結果を深く憂慮」(前文)してつくられました。この「人道的アプローチ」が決定的に重要になっています。高齢化する被爆者が活動できる時間は限られています。被害者を招き、為政者や広範な市民がその証言を聞くことができるよう、市民社会と協力したとりくみを訴えます。
2.「核抑止」論を克服する国際的なとりくみの強化を訴えます。いかなる核兵器の使用も、人道上および安全保障上の壊滅的な結果をもたらします。ヒロシマ・ナガサキの惨禍の非人道性を認めながら、核兵器の使用を前提とした「核抑止」政策をとることは根本的に矛盾し、全人類の安全を危険にさらすものです。それは、軍拡競争をつくりだし、仮に抑止が破綻した場合、全世界にとって取り返しのつかない大災厄をもたらします。「いかなる場合にも核兵器が再び使用されないことを保証する」には「核抑止」ではなく核兵器廃絶しかありません。この会議が、この「核抑止」論を克服していくうえで大きな貢献となることを期待します。
3.条約が義務付ける被爆者と核実験被害者の支援と環境修復のための具体化を促進することを求めます。この課題での非公式作業部会では、被害者の聴取や国際基金設立の検討など、精力的な作業がすすめられています。これを促進していくうえで、被害者とともに、その支援を行っている市民社会の参加、非締約国の協力が重要です。私たちは、日本政府にたいし、本条約参加以前にも、この課題で積極的に貢献するよう求めています。
私たちは、日本政府が、「核抑止」と決別し、本条約に参加すべく力を尽くしています。対立と緊張を抱える東アジアでは、包摂と対話で平和を構築することを提起しています。戦争の不安をなくせば、「核抑止」の根拠もなくなるのです。
本条約は、国連憲章の重要性を指摘しています。ロシアのウクライナ侵略も、イスラエルのガザ攻撃も、国連憲章、国際法にもとづく解決が求められます。
第3回締約国会議が、核兵器のない平和で公正な世界の実現にむけて、大きな成功を収めることを期待します。