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厚生文教委員会(1.17)教育委員会関係 質疑答弁を公開します

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公開がおくれまして、申し訳ございません。

本年1月17日におこなわれた厚生文教委員会、教育委員会関係、質疑答弁を公開いたします。

◎佐藤正幸委員  県知事選挙を目前に控えていますので、谷本知事の6期24年間の検証という点も踏まえて、まず公立高校の統廃合の実態についてお聞きします。子供の数が減ったからということで、学校の統廃合を進めるのは、地域の教育力の衰退、子供の長時間通学、あるいはいざというときの安全面の不安、今回の雪のこともあるかと思います。さまざまなデメリットが指摘されており、特に能登地域においては、その弊害があらわれているのではないかと思います。そこで、谷本知事になってから公立高校の統廃合がどんなふうに行われてきたのか。うち中能登以北の統廃合はどんなふうに行われたのかを、まずお聞かせ願います。

◎田中新太郎教育長  谷本知事になってからというお話ですが、これまで公立高校については、再編整備ということで第1次、第2次の2回にわたって、平成11年には再編整備計画、平成19年には名前が変わって活性化推進計画という形で、県立高校の統廃合を進めてきました。  大体皆さん御存じだと思いますが、12年には宇出津高校と水産高校の2校を統合して能都北辰高校をつくっています。13年には河北台商業高校を津幡高校に統合。14年には柳田農業高校と町野高校の2校を統合して能登青翔高校を設置。16年には七尾農業高校、七尾工業高校、七尾商業高校の3校を統合して七尾東雲高校を設置。17年には水産高校の小木分校を募集停止としています。  その後さらに2度目の再編ということで、20年には中島高校を七尾東雲高校に、輪島実業高校を輪島高校に、珠洲実業高校を飯田高校に統合しており、21年には高浜高校と富来高校の2校を統合して志賀高校を設置し、さらに能都北辰高校と能登青翔高校の2校を統合して能登高校という形で再編整備しています。  結果として、再編以前と比べると、県全体では10校1分校減となっており、中能登以北では9校1分校減という状況になっています。

◎佐藤正幸委員  実態はそういうことで、9割が能登地域だったということだと思います。私は、これは地域の維持と発展のマイナスにもなったのではないか。また、小規模ということで残しておけば、例えば子供一人一人に目が行き届く教育も行うことができたのではないかという面もあると思います。  次に、この統廃合に加えて学区制も廃止になったと思います。高校生の通学費はかなりふえて、経済的負担の大きさによる悲鳴もたくさん出ています。教育委員会として、高校生の通学費の負担の実態はどのようになっているのか、また、把握しているのかどうか。あるいは、通学費の負担軽減への支援策が必要ではないかと思うのですが、その辺の認識はいかがでしょうか。

◎田中新太郎教育長  高校生の通学費の実態については、手元に資料はありませんが、国による28年の抽出調査の結果で、全国の状況しかデータはありませんが、全日制高校の通学費は全国でいうと平均で月額3,963円、4,000円弱という結果が出ています。いわゆる遠距離通学の子供たちの保護者への通学費の支援ということについて、能登地区の再編整備、特に2次再編を行ったときには、遠距離通学が生じるということで、5年間にわたり通学費の補助、1万円を超える分を補助するという制度も設けて、統廃合による影響の激変緩和措置ということも講じています。また奨学金の貸与の中で高校再編整備枠という特別な枠を設けて、希望する生徒には通常の貸与月額に1万2,000円を上乗せして貸与するという配慮もして再編をしてきたところです。現状で言うと、当時とは違って、高校の授業料も一定の所得以下の方は無料になっています。授業料以外のいろいろな学用品についても低所得者については給付金という形で手厚い支援がなされています。そうした中で、大分当時とは状況が変わっています。現時点で高校生の通学費に対して何か支援するという検討は一切していません。

◎佐藤正幸委員  例えば、かほく市に聞くと、高校がなくなったので津幡や宝達志水に通うために通学費補助について要望が非常に強いと聞いていますし、奥能登地域の話を聞くと、のと鉄道の路線が廃止になり、定期で月5万円になるという人もいるということも聞いています。市町による交通費の補助もあるようですが、一切というような言葉を使わず、ぜひ実態を調査して、支援も検討していただきたいと思います。  次に、昨年の12月22日に中央教育審議会の学校における働き方改革(中間まとめ)が公表されました。これは既にホームページでも発表されて、私もざっと目を通しましたが、働き方改革の中間まとめの概要が何ページかにわたってある中で、長時間労働の勤務時間の管理については、自己申告方式ではなくICTやタイムカード等による勤務時間の把握を徹底すべきと書いてあります。この間、教育委員会としては、タイムカードでは正確に把握できないと。自己申告が一番いいという答弁もあったのですが、これは違う指摘になっています。そういう面で、私は今までの姿勢を改善して、中間まとめにあるとおりに勤務時間の管理は自己申告方式ではなくICT、タイムカード等による勤務時間の把握を徹底する必要があると思うのですが、今の検討状況も含めて、お聞かせください。

◎田中新太郎教育長  前の議会等々での答弁、委員会でも答弁したかもしれませんが、今まさに多忙化の現状を把握するために実態調査を行っており、委員会でも報告しています。いわゆるタイムカードは、何時に来て何時に帰ったということがわかって、時間は確認できますが、教員の場合は前もお話したと思いますが、学校外で勤務する場合や家庭訪問する場合もあります。もう一つは、時間外の理由や内訳についての実態も把握するために調査しています。そうなると、タイムカードでは入りと出がわかるだけで内訳まで調査できないので、今の実態調査の内容としては授業準備等に要した時間外がどれだけになっているか、部活動に要した時間がどれだけになっているか、校務分掌といったことの内訳も調べている状況です。そういうことになると、やはり自己申告でやっていただくことが一番内容的にも把握できます。過少申告などがないよう、正直に報告するようにということも徹底しています。  そういう中で、いろいろ分析もしているわけですが、私はタイムカードを否定しているわけではありません。実態調査については今年度やっていますが、来年度以降も当面続けていくつもりでいます。いろいろと取り組みを進めていく上で、効果を検証していくためには、やはり内訳も必要です。そうした中で、当面は自己申告。自己申告といってもICTでフォーマットをつくって、そこに打ち込んでいただくという形でやっていますので、書類に書いて出せといったことではありません。教頭が集計できるような形でやっており、当面はそういう形を続けていきたいと思っていますので、その中で、もしタイムカードをあわせて導入すると、教員はタイムカードも押さないといけない、自己申告もしないといけないということになります。いずれは当然タイムカードに移行する時期があると思います。タイムカードを決して否定しているわけではありませんので、御理解いただきたいと思います。

◎佐藤正幸委員  家庭訪問して、そのまま家に帰る場合も当然あると思うのですが、それは現場の人に聞くと、そう頻繁にあるわけではないということもお聞きしています。ぜひ、まとめの方向で改善ができればいいなと思っています。  多忙化の要因には、本来教員が行わなくてもいい業務を教員が担っているという実態があるとも聞きます。例えば、当日、給食の数がどれだけ必要だ、あるいは学籍把握というものがあり、年度始めの子供の転入や転出によってクラスに何人子供がいるのかということを把握するそうです。また、避難訓練の係、学校内の安全点検。これは本来、教員がしなくてもいい仕事らしいのですが、そこが恐らくごっちゃになっているところがあると思います。  そこで、県教委として、そもそもこれは教員の仕事、これは教員の仕事ではないものという、現場への徹底をまずきちんとやっているのかどうか。ここは徹底すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

◎田中新太郎教育長  まさに今それを国のほうでも仕分けの作業をいろいろ現場や有識者の意見も聞きながら、検討しているところです。あるメンバーの話を聞くとその線引きは、なかなか難しいようです。事務職員に任せると、日ごろ子供たちの様子を把握している先生しかできない部分があるということで、現実的にそうなってきています。それをいきなりしないでいいという話にはなかなかできません。そうした方向の中で、多分、国のほうも大きく打ち出すことによって、学校現場の意識を変え、あるいは仕事を分ける流れをつくるためにいろいろ仕分けの作業をしているのだと思います。国も、決めたからといって、さあ来年4月から仕事は別にしなさいという対応は多分とらないと思います。環境整備の意味で仕分けしていただいていると見ています。委員からお話のあった給食や学籍の把握、避難訓練の係については、国の中間まとめでは、取り上げられていないところです。現場の話ということでしたが、中間まとめでは、学校以外の地方公共団体、教育委員会、保護者、地域住民が担うべき業務として、登下校等の見守り、給食費などの徴収管理業務など、これは学校の業務ですが事務職員や外部人材を活用することで対応が可能なのではないか。あるいは調査、統計への回答。先ほどからもお話があった部活動についても、必ずしも先生がやらなくていいのではないか、といった議論がなされているわけです。  しかし、例えば部活動を取り上げても、外部指導員や部活動指導員という話が出ていますが、進んで先生のかわりに引率まで全部やってくれる人材が地域に豊富にいるのかというと、この人手不足の中では、なかなか確保が難しいというお話を現場から聞いています。そうした中で、結局は教員OBといった方々に半分ボランティア的に御協力いただくことが現実的ではないかと私は思っています。また、外部の指導員を入れるといっても、皆さん仕事をされている方々ばかりなので、毎日夕方、例えば4時ごろからの2時間や、土日の一部であれば部活の面倒を見ることは可能だと思います。今はボランティアで出ていただけるときに出ていただいている、任意に協力していただいているという形ですが、これを国が言うように部活動指導員として雇用して勤務状況も管理し、かつ子供の安全管理の責任も持つことになると、果たして今、外部指導者という形で先生と一緒に指導していただいている方々のうち、先生のいないところで単独で責任を持ってやりますよという方がどれだけいるのか。これもなかなか現実的には難しいと思います。そうした中で、国に大きく仕分けしていただいているわけですが、それがすぐ現場に浸透して、すぐ対応できるかといえば、なかなか現実的には難しいものがあると思っています。  そうした中で、今お話した給食費の徴収などの業務については教育委員会の事務職員がすることはできると思います。市町においてもそういう方向で検討しているところもあるようですし、広がりつつあると思います。ただ、これについても市町の職員を増員するなど、結局、人件費がかかる話になります。そういう意味で、行革等々で定数を減らしてきている中で、学校の先生から切り離して事務職員が担うことになれば、当然、職員の増も必要になり、それに伴う財源措置の手当も多分必要になってくると思います。部活動指導員も同じで、報酬を払って雇うことになるわけですので、人件費が必要です。部活の数だけ指導員を入れたらすごい人数になり、大きな財源が必要になります。国のほうでもいろいろ検討していただいている中で、あとは学校現場で実態に応じてどれだけそれを活用し導入していけるかというのは、実験とは言いませんが一つ一つ丁寧に取り組んでいく中で理想形に何年かをかけて持っていくことではないかと思っています。  業務分担について、仕分けは大事なことですが、それに沿って財源の手当、学校現場や教育委員会の対応も含め、時間をかけて取り組んでいかないと、なかなか効果を発現するまでには行かないと思います。消極的という意味ではなく、学校現場の実情を見るとなかなか困難な課題であるとは思っています。

◎佐藤正幸委員  事務職員にやってもらう仕事があると思うのですが、事務職員の配置は1人の場合が多いものの、市町によっては、臨時の職員を配置して2人、3人というふうにしている場合があると聞きました。非常に大事なことだと思います。事務職員の配置の実態はどうなっているのか、そこに財政支援すべきではないかと思います。あえて言えば、まとめの中では、そもそも必要性に乏しく慣習的に行われている業務については思い切って廃止すべきだと。いろいろ理屈をつけて、あれもできない、これもできないではなくて、思い切ってやるということも書かれています。そこも踏まえて、最後に、事務職員の実態についてどうなっているのか伺います。

◎田中新太郎教育長  事務職員については、これも教員と同じで、義務教育の標準法により定数措置という形で国が3分の1、都道府県が3分の2を持ち、その3分の2の財源も地方交付税で手当てするというスキームになっています。ですから財源が必要だということは、まさにそのとおりです。現状ですが、27学級以上の小学校と21学級以上の中学校には複数配置、それ以外は1名の配置です。お話のように、市町ではサポーターとして臨時職員等々により事務職員を大規模校等に増員して対応しています。例えば金沢市ではやっていますが、これも市町が単独の財源を負担して配置しているのが現状です。国のほうでも、事務職員の仕事をふやして教員の負担を減らすという方向で検討しているわけですが、事務職員の仕事がふえれば事務職員の数をふやすことが必要になってきます。そうなると当然、国が事務職員の定数改善もあわせてやっていかないと、なかなか一気に事務職員をふやすことにはならないと思っています。そういう現実的なことも踏まえつつ、まずは学校現場で自分たちで努力できるところをどこまでやっていくかということについて、協議会で今後の取り組み方針を協議しているところです。

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