県政・県議会 -

予算委員会 質疑答弁(一問一答形式)を公開します

◎佐藤正幸委員 参議院選挙後初めての県議会であります。参議院選挙において5野党・会派が市民連合の皆さんと交わした13項目の政策合意を実現される立場から、日本共産党は代表して質疑に入ります。

 まず最初に、付託された補正予算については10月からの保育無償化に関して副食費の県としての補助予算が組まれていないなど不十分な点、金沢外環状道路の大河端―福久間延長という急ぐ必要のない工事が含まれていること、また補正予算に関連して、知事提出議案である新県立図書館整備工事は100億円を超える請負契約となることから県民から見て華美なものにならないよう留意すべきと最初に申し述べておきます。

 さて、さきの政策合意の中には「10月に予定されている消費税率の引き上げを中止し」と明記されております。景気の悪化を裏づける政府の統計が続いて発表され、書かざるを得ないにもかかわらず、知事の議案説明には目前に迫った消費税増税に対する危機感や対策は一言もありません。キャッシュレス・消費者還元事業の登録申請が、経済産業省によれば9月5日時点で対象店舗数は3分の1程度にとどまり、県内では8,328点とされています。金沢商工会議所が5日発表したアンケート調査によれば、複数税率に対する準備が完了したと答えた企業は26.7%にとどまっております。3分の2あるいは4分の3もの店舗や企業が参加もできないし準備も整わないというのは制度設計としても破綻しているし、不公平をさらに広げるものと考えないでしょうか。県の見解をお尋ねいたします。

◎徳田博商工労働部長 まず、キャッシュレス・消費者還元事業でございますが、中小・小規模事業者の申請は今月の5日現在で全国で60万店舗、うち本県は先ほどありましたように8,328店舗となっているところであり、国によりますと想定していた参加店舗数をはるかに超えており、1日1万件ずつぐらい申請が順調にふえているとのことでございます。また、軽減税率の準備状況でございますけれども、金沢の商工会議所が8月に実施した調査によりますと、準備が完了もしくは準備を進めているとの回答は7割近くとなっており、同会議所からは「事業者の多くは軽減税率の対応レジの導入等の準備を進めており、引き続き周知を図っていく」とお聞きをいたしております。

 また、国によりますと軽減税率対応レジ導入の必要性の高い事業者には行き渡るだけの供給はできつつあるとのことでお聞きしております。いずれにいたしましても、国において中小・小規模事業者に混乱は生じることのないよう制度の円滑な実施に万全を期していただきたいと考えております。

◎佐藤正幸委員 部長。そうおっしゃいますけど、9月18日に全国スーパーマーケット協会、日本チェーンストア協会など小売4団体がこのポイント還元事業について経済産業大臣あてに抜本的な見直しを求める要望書を提出しています。ぜひこれ知事、後からしっかり読んでいただきたいと思うんですけど、いいですか。「政策目的が曖昧なまま短兵急に決定され、消費者利便及び公平公正の競争の確保の点から強い懸念があるとして実施されるべきではない」と、ここまで言っているんですよ。こういう事態のまま10月1日の増税を迎えると。そのことを踏まえた県政対応が必要だということを私は強く要望しておきたいと思います。日本共産党は消費税造成に頼らず、大企業・富裕層から応分の負担を求めるなどして消費税3%分に当たる7.5兆円、財源を生み出し、8時間働けばまともに暮らせる社会の実現など、3つのプランを参議院選挙の公約に掲げました。さきの野党の共通政策でも、「地域間の大きな格差を是正しつつ最低賃金1,500円を目指し」と明記されました。

 そこで、この最低賃金について知事の認識をお尋ねしておきたいと思います。まず、代表質問の答弁にもあったとおり、最低賃金法9条2項では地域別の最低賃金につちえ、地域における労働者の生計及び賃金並びに通常の事業の賃金支払い能力を考慮して定めなければならないと定めておりますが、お尋ねしたいのはこの生計費に関する知事の認識であります。平成30年度、2018年10月29日の県の人事委員会による職員給与等に関する報告及び勧告の中に、県庁所在地である金沢市の世帯人員別標準生計費が示されております。2018年4月に4人家族で月額26万1,940円、これが標準生計費であります。就業人員が一人と仮定しておりますので、これを石川県の最低賃金832円で割ると318.2時間となります。祝日も休みを取れることを前提とする月の労働時間150時間の2倍以上働かないと標準生計費が満たせないということになります。別の角度でいうと残業のない月150時間で標準生計費を賄おうとすると時給1,746円必要となります。この数字を見ますと、石川県の最低賃金では生計費を満たすことができないと思いますけれども、知事にはそういう認識があるか、まずお尋ねしておきたいと思います。

◎谷本正憲知事 最低賃金という制度については、知事は職責上かかわりはございませんのでなかなか難しい問題ではありますが、最低賃金法という法律があるようであります。そこでは、労働者の生計費、賃金、そして企業の賃金支払い能力の3つの要素を考慮して中央最低賃金審議会が引き上げ額の目安を示し、これを受けて各都道府県の地方最低賃金審議会における審議を経て、各都道府県労働局長が決定をするということになっておるわけであります。最低賃金を定めるにあたって考慮する3つの要素の1つであります労働者の生計費については、最低賃金法に基づき最低賃金が生活保護の水準を下回るという逆転現象が生じないように配慮がなされておうようでございます。委員が言われた標準生計費と最低賃金との関係については、国において議論されるべきものと、また議論されているとお聞きをいたしておるわけであります。

 いずれにしましても、最低賃金の水準がどうあるべきかについては法律上、最低賃金の決定に当たって私どもには権限はございません。
中央最低賃金審議会が地方最低賃金審議会における審議を経て、各都道府県労働局長が決定する仕組みとなっておりますことから、県は最終的に判断できる立場にはございませんので国においてここはしっかり議論がなされなさるべきものと、理解しております。

◎佐藤正幸委員 全然知事答えてないんですよ。標準生計費が最低賃金で賄えるんですかと聞いていろんなことをおっしゃってるんですしかも今職責上関わりないとか権限がないと言うふうに、おっしゃいますけれども、じゃあ知事、どうなんですか。全国知事会は昨年7月27日にまとめた国の施策及び予算に関する提案・要望、ここに実物持ってきましたけれど(資料提示)、この中で地域的地域間格差の拡大につながるランク制度を廃止して全国一律の最低賃金の実現、この中で求めているじゃありませんかそして、今年7月の参議院選挙を前にした5月に各政党に対して最低賃金の引き上げ及び地域間格差の解消を求める提言を出しているんですよ。知事会副会長としてこの最低賃金の引き上げ、全国一律最低賃金を求める知事の意気込みをこの機会にぜひお聞きしたいと思います。知事、いいですか。国の答弁がどうこうそれはもうわかっていますから、知事会の副会長としての決意を示しいただきたい。

◎谷本正憲知事 全国知事会では、確かにご指摘ございましたように最低賃金の引き上げ、地域間格差の解消と言うものを提言をいたしているわけであります。しかしながら、これは法律制度を無視してもやれと言うこと、そんな提言をしているわけじゃありませんので、法律では最低賃金法と言う法律があるわけですから、その中で労働者の生計費、賃金、そして、これは各都道府県の労働局長が決めると言うことでありますから、この要素は十分勘案して国においてしっかりと議論をしてもらいたいと言うことで、私は知事会としては提言をさせていただいておると言うことであります。

 中でも企業の賃金支払い能力と言う点では、労働コストの増加によりまして形が圧迫され、かえって雇用が失われる面があると言うことも十分配慮して、これは軽減を持つ国において十分検討されるべきものと考えております。一方県内中小企業が成長、発展していくと言う事は、ひいては所得の底上げにつながるわけでありますから、県の役割はこうした環境整備していくことに私はあるんではないかと言うふうに思います。こうした考えもとにこれから新商品開発、販路開拓支援など企業の意欲のある取り組みを積極的に支援をしていく、これが県の役割ではないかとこのように考えているわけであります。


◎佐藤正幸委員 国の権限と言うふうにおっしゃいますけども、やっぱり地域から今の最低賃金では標準生計費が満たせないんだと言うことを地域からしっかり声を上げると言うことも私は県の大事な役割だというふうに思いますし、今日はご出席されておりませんけれども、県の選挙管理委員長を務めておられます坂井美紀夫金沢弁護士会長も6月3日に会長声明を出しました。この会長声明の中にも地域経済活性化の為にも地域間格差の縮小は喫緊の課題だと、最低賃金の大幅な引き上げを求めておられます。私はこの最低賃金、全国一律進める際熟していると言うふうに考えますので、ぜひ知事の積極的なイニチアシブをこの機会にも求めておきたいと思います。
 次に、豚コレラ問題についてお聞きをしたいと思います。わが党は、8月8日に北陸3県と長野県共同で政府交渉を行って参りました。その後も終息の見通しが立たないどころか、ついに飼育数が多い関東地方にまで感染が広がる事態となり、どうやらワクチン接種の方向で具体化は進んでいるようであります。野生イノシシなどの侵入を防ぐ防護柵、防護網の設置を始め飼養衛生管理基準を守ろうとする養豚農家の方は国や県の支援があるとは言え、数百万円の負担がかかるわけです。豚コレラが迫る中で大きな投資はできないという声も聞かれます。そこで国が侵入防止柵の設置を義務づけたと言うことであれば国の責任でもっと財政支援をすべきであり国がその姿勢がなかなか見られないと言うのはやはり国に農家が管理水準を向上しようとする意欲が薄いんだと、何か農家のせいにするような姿勢があることを私は指摘しなければなりません。この際真実の養豚農家からも「全頭処分になると思うと耐えられない。精神的な重圧がある」と、この養豚農家の県内の皆さんの苦悩に心を寄せて、県として心をさらに上乗せして、今も必死に管理基準守ろうとして努力している様と農家の負担を限りなくゼロにする。限りなくゼロにするような予算措置を求めたいと思いますが、部長の見解をお聞かせください。

◎遠藤知庸農林水産部長 県といたしましては、豚コレラ対策として何よりも重要な事は養豚場への感染防止であると考えておりまして、養豚農家が取り込んでいる飼養衛生管理基準に即した管理を最大限支援するため、これまでも国に対して必要な財源の確保を要請するとともに、今議会にも関係具体的には国が義務づけることとした養豚場のイノシシ侵入防止柵の設置に加えまして、小動物の侵入防止ネットの設置や畜舎の補修を本県独自に必須とすることに加えまして、国が推奨する車両消毒機材の導入や更衣室の整備にかかる費用等についても総合的に支援することとしております。今後とも養豚農家の貿易体制強化につきまして、農家負担を軽減するため、国としても出来る限り支援して参りたいと考えております。

◎佐藤正幸委員 できる限りを、負担を限りなくゼロにすると言う位の私は支援がやはりいま、県として問われていると言うふうに思っています。そこで、これまでワクチン摂取に慎重だった日本養豚協会なども地域を限定した摂取を要望しているのは皆さんご存知の通りであります。ただ国も今まで慎重となってきた理由の1つには安倍政権の農林水産物輸出に影響が出るからとされております。しかし実際は豚肉の国内産出額、2017年で約6500億円に対して輸出額は約10億円とわずかであります。そして現在の輸出相手国はいずれも非清浄国であるために引き続き輸出することが可能と言う指摘もあり輸出入には大きな影響がないと言う指摘もございます。そこで、販路が制限されることになるよる養豚農家の負担を軽減すること、そして県としても分離流通あるいは分離消費などの方法を管理する仕組み、トレーサビリティと言うんでしょうか、その確率あるいは風評被害等によって流通業者に対する経営安定化支援策も問われてくると思います。速やかにことが進むようにこれらの点で今、国とどういう検討を行っているのか、明らかにしてほしいと思います。

◎遠藤知庸農林水産部長 現在、予防的ワクチン接種につきましても、貿易に与える影響も考慮しつつ、あらゆる可能性を検討するとしております。これに対しまして本日午後、本県は竹中副知事が出席いたしまして、飼養豚や野生イノシシで豚コレラの発生が確認された8県共同で江藤農林水産大臣に対しまして国の責任で豚へのワクチン接種や接種した豚の円滑な流通等について要望することとしております。県といたしましては豚コレラの蔓延防止は国の責務であると考えておりまして、今後とも国の動きを注視するとともに、豚コレラ対策に万全を期してまいりたいと考えております。

◎佐藤正幸委員 江藤大臣も「ステージは確実に変わった」と述べざるを得なくなりました。ぜひ、私は国との検討内容を公表して、そして関係者の同意が速やかに行われて、対応が遅れ遅れにならないよう、県としての先取りしたぜひ具体化を強く求めておきたいというふうに思います。

 では次に、特別支援教育についてお聞きをしたいと思います。まず、基本的な認識について、教育長の答弁を求めたいと思います。まず、2016年12月21日に中央教育審議会の答申でこういう表現があります。「重複障がい者の割合も増加傾向にあり、例えばほかの障がいに自閉症をあわせ有する者や視覚と聴覚の障がいをあわせ有する者など、多様な障がいの種類や状態に応じた指導や支援がより強く求められるようになっている」という指摘がございます。本県もこの中教審答申の指摘と同じく、子ども達の障がいは重く、重複化しているという、そういう現状にあるという認識でいいのかどうか、教育長の見解をお願いいたします。

◎田中新太郎教育長 本県におけます特別支援学校に在籍する児童生徒数の障がいの重度・重複化の状況で申しますと、医療的ケアを必要とする児童生徒数は10年前は27人でございましたが、今年度は38人と増加しております。その一方で、重複認定された児童生徒数でございますけど、在宅訪問教育と分教室も含めまして10年前は372名でございましたが、今年度は288名と84名減少しております。県教委のほうでは、平成21年度に複数の障がいのある児童生徒を受け入れ、専門的できめ細かな教育を実践できるよう重複障がいの判定基準を設けました。その判定基準をもとに今認定を行っているところでございまして、その認定のあり方でございますが、学校教育法施行令に定める特別支援学校に就学するための障がいの程度のうち、2つ以上の障がいをあわせ有する者を重複認定とする、これは当たり前のことでございます。それ以外に1つの障がいの場合でありましても、自傷行為でありますとか破壊的行為などの行動面の問題があったり、日常的に重いてんかん発作などがあるなど、そういったものが重なっている場合は重複認定をしてございます。さらに、生徒が成長していく過程で新たな障がいの程度や行動面の問題に変化があった場合にはその時点でまた重複認定を改めて行っているということで丁寧に行っているところでございます。

◎佐藤正幸委員 確認なんですが。県の判定基準、平成27年とおっしゃいましたか。そこだけ、確認だけ。

◎田中新太郎教育長 21年度

◎佐藤正幸委員 平成21年度。わかりました。それではもうすこしこの問題で突っ込みたいと思うんですけれども、委員長に許可を得て、今日はグラフを持ってまいりました(グラフ提示)。2010年に分教室、訪問教育を含めると特別支援に通う児童数は1,041人、10年前は。2019年には1,265人と220人増えているわけですね。特別支援学校に通う子ども達は増えていると。しかし、重複認定は減っているわけなんですよ。これは、グラフ見てもらったらいいんですけど、2010年ですね。ここの重複児童数が334人、学級が130学級ありました。特別支援に行く児童生徒数が増えているわけですから、本来なら重複認定を受ける児童数も学級も増えるはずなんですけど、2019年には、この棒グラフ、これは生徒数です。数が減ってます。重複認定の学級も減ってます、108まで。これはなぜなんでしょうか。先ほど、教育長は丁寧に判定しているというふうにおっしゃいましたかれども、さきの中教審答申では障がいが重くなっているし、その割合も増えているといっているのに実際、認定の人数が減り、学級も減ると。これはどうしてなのかという、そこ、教育長はどんなふうにお考えになっているんでしょうか。

◎田中新太郎教育長 先ほどから申しますように、私ども障がいの程度に応じてきめ細かな教育をやったほうがいいということで、そのために先ほど言いましたように基準をつくって、ばらばらにならないように学校ごとに、あるいは市町ごとにばらばらにならないようにということでつくらせていただきまして、それに基づいて、繰り返しになりますけれども、丁寧にやっております。先生、何を言いたいのかがちょっと私ははっきりわからないんですけれど、どういう御趣旨なのか。

◎佐藤正幸委員 現場の話をお聞きしますと、認定が非常に厳しくなってきているのではないかという声があるわけですよ。本来、重複認定すべき子どもがそうならないという現状があって、それがしかも、率直に言えば文部科学省からの含めてそういう声と言いますか、そうすればいわゆる重複認定の学級数が減っていけば先生の数も減るわけですよ。だから、現場は今どういう状況になっているかといったら、教員不足で大変ですよね。これは繰り返しになるように私何度もこの議場で取り上げましたけれど、例えば車椅子を2台、一人がこうやって押すというような状況にもあるぐらい教員の不足につながっているのではないかということを私は言いたいわけなんですよね。それで、じゃ、基本的なことをもう一つお聞きしますけれども、この特別支援教育についてはいわゆる辻村報告というものがあるということを私、勉強させていただきました。用語教育の義務化を控えた1975年3月31日に辻村報告、障がいの大変重い生徒たちへの教育の出発点というべきものとされているようであります。その中で、重度・重複障がい児のための学級を増設するとともに、その施設設備等の充実を図るものとすると、こうされております。しかも、今年5月21日に我が党の質問、参議院文教科学委員会、山下参議院議員の質問に対して当時の柴山文科大臣も「この辻村報告は今日的な意義を持っている。そして重度・重複障がいのある子どもが障がいの状態に応じた適切な指導や必要な支援を受けられる環境を整えることが重要だ」と、こう答弁しているわけです。

 お聞きしたのは、この立場に立って、例えば単障がいでも障がいが重度の子どもは重複学級に受け入れるなど、重度ということを広くとらえて、子ども達に適切な指導や必要な支援が行き届くようにする。これは私、辻村報告の趣旨だと思いますが、この趣旨をぜひ現場に周知徹底すべきだというふうに思うんですけれども、そこの教育長の見解、お聞かせください。

◎田中新太郎教育長 まさにその通りだと思います。ですから私どももそういう思いでばらつきがないようにきちんと受け入れて、きちんとした専門的な指導が行えるように基準もつくって適正に運営をさせていただいておるところでございます。辻村報告ということも私も承知をしております。そういうことも踏まえて基準をつくったということでございます。ただ、ちょっと石川県の状況ですけど、例えば特別支援学校で学んでいる子どもさんも増えていますし、学級数も全体では増えています。通級も増えてます。特別支援学級も増えてます。まさに診断の精度が上がって軽微な障がいでも判定できるようになったということで、そういう特別な支援を受ける子どもさんの数も増えている。かつ保護者の理解等々も進んで、普通の学級にいるんじゃなくてきちんとした特別な指導を受けたほうが将来の子どもさんにとっていいということで、そちらの通級とかそういったものも増えている。これが全国的な状況で、重複につきましてもおっしゃるとおり私どももそういうことやってます。

 ひとつ申しますと、全体の学級数に占める重複学級の割合で申しますと、石川県は4割近くで全国的に中位にございます。特別、石川県が厳しくやっているというような根拠はないと思います。その辺を御理解いただきたいと思います。

◎佐藤正幸委員 そういいながら、先ほどグラフ示したように、なぜ認定の数が減るのか、なぜ学級が減るのかという、そこがまだひとつわからないんですよ。恐らくそれは認定の基準がやはり実態に合っていないというところがあるのではないかと私は思います。それは石川県だけそうだというわけじゃなくて、全国的にもおすなっているんじゃないかということを私は思わざるを得ないんです。今の話、聞けば聞くほど。それでこの問題最後にしますけど、曲がりなりにも現場でそういう判定を変えるみたいな、そのようなことがあってはならないと私思うんですけど、そのこのこの問題、最後にお尋ねしておきたいと思います。

◎田中新太郎教育長 基本的に一番子どもの状況なりを把握している学校現場できちんと判定をする、第一次的な判定をする。それを上げてきまして、うちのほうで基準にてらしてチェックをするということになるんですが、学校等々から上がってきた判定について簡単に言いますと、ここ5年間の平均認定率では97%でございます。ほとんど現場から上がってきた判定についてはうちがひっくりかえすようなことはありません。ただ、一部は本当に軽度なもので、そこまでしなくていいんじゃないというのは一部はありますけど、ほぼ100%近い現場の意見を尊重した判定をおこなっているということでございます。

◎佐藤正幸委員 適切な指導や必要な支援が行き届かなくなるということがないよう、ぜひしっかりとした対応をお願いしておきたいというふうに思います。

 それでは教員の多忙化についてもう一点だけお尋ねしておきたいと思います。8月の厚生文教委員会で教育長が「中学校においては国が求めている時間外勤務の上限である月45時間を達成するのは困難」と、私はこの発言を重い発言として受け止めました。このままでは人間らしく働ける条件を示した科学的根拠に基づく厚生労働大臣告示にあたる残業付き45時間のこの上限が中学校では適用されない状況が固定化するということになってしまいます。こういう状況を踏まえて教育長も答弁ありましたけれども、引き続き定数改善を求めていくというふうにおっしゃるんですけど、じゃ来年度の文科省の概算要求は全体でどうかといえば、教員定数全体はふえるどころか14人減の要求ですよね。ふえないんですよ。来年も。ここはやはり私は国の定数改善を待たずに日夜奮闘する教職員の思いに応えて、県独自で例えば少人数学級を全学年で実施するなど、多忙化改善へ今やはり県として思い切った対応をとることが必要だというふうに思いますが、教育長の答弁お願いいたします。

◎田中新太郎教育長 悔いの概算要求見てますと、確かに微減ということです。ただし自然減がある中で、その自然減をもとに戻してくれということでいろんな学校が抱えている課題に対応した定数の増を要求しているんだと思います。これは概算要求の段階ですから、最終的に決着がついた段階でどうなっているか、そこは非常に私も注目をしてみていきたいと思ってます。そんな中で、少人数の話も今ございました。これまでも答弁しておりますけど、全学年例えば小学校全部ですね。中学校も全部やるということになると大きな財源が必要になります。これまでも答弁しておりますけど、標準的な給与で800万、一人当たりということで計算すると10億を超えるような持ち出しになります。そういう意味で県独自でその負担をしてやるというのは事実上困難だという答弁をこれまでもさせていただきました。国の加配の方も徐々にふえまして、今も例えば小学校の3年生、4年生とか中学校の1年生は加配を使っていろいろやっているわけですね。そんな中で、もし加配のパイがふえればその加配を使って一部35人学級ということもできますけれども、逆に加配の枠がふえない中で無理に小中全部35人学級にしますと、それ以外も専科教育でありますとか、通級でありますとか日本語指導でありますとか、児童生徒支援でありますとか、いろんな意味で加配を活用しているわけですね。市町の教育委員会から自分のところの抱えている課題に応じて、こういう形で加配を何人くださいという、そういう要望を受けて、その加配の枠を活用して市町の課題に適用できるように配分していうというような状況でございますので、やはり委員おっしゃるようなことをするには財源の問題がありますし、国において思い切ってナショナルミニマムの話でもございますから、思い切って加配をしていただく、定数をふやしていただくということがやはり必要なんじゃないかと、こう思っているところでございます。

◎佐藤正幸委員 財源、財源と言うんだったらそれ捻出してくださいよ。やりとりの中で。国がと言いますけれども、結局、文部科学省の要求は減なんですよ。そこをしっかりやはり見た対応が必要だと私は思います。
 最後、時間がありませんので、知事に原発、再生可能エネルギーの問題で簡単に認識をただしておきたいと思います。簡潔にしますが、安倍内閣のエネルギー基本計画の中に再生可能エネルギーは主力電源化を目指すということを言わざるを得なくなりました。それで今、経済界ではRE100というプロジェクトがあって、これは主要電力の全てを再生可能エネルギーで賄うということを掲げた企業の連合体で、日本ではリコーやイオン、ソニーなど19社が参加をしております。県としてこれらの動きをどう認識しているのか、最後にお尋ねしておきたいと思います。

◎谷本正憲知事 再生可能エネルギーにつきましては、平成30年7月に策定されました国の第5次エネルギー基本計画において主力電源化を目指すとされたところであります。国として再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取り組みが進められているところでもございます。
 一方で、他の電源と比較して発電コストが高く、買い取りに要する費用が賦課金として企業や家庭の負担となっていること、安定供給等に課題があることから、現在国において課題解決に向けたさまざまな検討がなされていると承知をしております。その上で、国においては長期エネルギー需給見通しにおいて、2030年の電源構成として再生可能エネルギーの割合を22から24%に高めていく目標が示されているところであります。本県としても、再生可能エネルギーの導入はエネルギー源の多様化や地球温暖化対策等の観点からも重要でありますことから、今後とも石川県再生可能エネルギー推進計画に基づき導入推進に取り組んでまいりたい、こういう考えであります。

◎佐藤正幸委員  終わります。

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