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厚生文教委員会 教育委員会関係(5/26) 質疑答弁を公開します

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◎佐藤正幸委員 じゃ初めに、私、文科省の4月28日に公表した2016年度公立小中学校教員の勤務実態調査速報値についてお聞きします。ちょうど前回の厚生文教委員会の日に公表されたということで、文部科学省のホームページにも載っておりますので、私もざっと目を通してみました。10年ぶりの勤務実態調査ということで、主な特徴は、平日の教諭一人当たりの平均労働時間は、小学校では前回調査から43分増えて、11時間15分。中学校では前回調査から32分増えて、11時間32分。もう少し詳しく見ると、教諭で週6時間以上勤務して、20時間以上残業しているというのが、小学校で33.5%、3人に1人。中学校では57.6%と6割近くで、いわゆる過労死ラインといわれるところまで仕事をしている教員が小学校で3人に1人。中学校では6割に近いと。本当に私は異常ともいえる実態が文科省の調査でも明らかになったんではないかというふうに思っております。さらに中学校では土日の部活指導の時間が1日あたり2時間10分、前回に比べ倍増しているという調査結果がでております。この結果について、教育長としてどのような見解をお持ちなのかという、基本的なことをまずはお尋ねしておきたいと思います。

 

◎田中新太郎教育長 今委員おっしゃいました調査でございますけれども、28日に公表されております、全国の小学校400校、中学校400校に勤務する教員を対象にした抽出調査であります。28年の10月から11月の間で連続した7日間の教員の勤務実態を集計したというデータです。結果について改めて申し上げます。一般教諭の結果でみますと、平均1日当たりの勤務時間の平均が小学校で11時間15分、中学校で11時間32分という結果で、これを10年前の文科省の調査と比較すると、小学校では49分、中学校においては、1時間49分増加しているというこんな結果が出ております。これをちょっとわかりやすく申しますと、1ヵ月当たりの時間外勤務時間に換算しますと、小学校で約70時間、中学校で約93時間となっております。今御指摘のございました、時間外勤務が月80時間を超える一般教諭の割合は、小学校で33.5%、3人に1人、中学校では57.7%、3人に2人弱というような結果がでたと私も承知をしております。文科省のほうでは大臣が会見されておりますが、これはもう本当に喫緊に解決すべき課題だと大臣もおっしゃっております。早速、中教審等で検討をお願いするという発言もあったようですし、報道で私どもも承知をしておりますが、新たに実態調査を文科省のほうでも検討をしているというような動きもあるようです。一部の抽出調査ではございますが、実態とそうかけ離れたものではないと私も思っております。ただ、一部だけの調査でございますので、やはり年間を通じた実態調査が必要だと思っておりまして、前回の委員会でも答弁の中で申しましたけれど、県立学校については毎月報告をとる、小中学校については、市町の方で集計していただいて、3か月に1度ほど、まとめて報告をしていただくということとしております。1年間を通してということですので、恐らく波もあることだと思います。国の働き方改革でも、例えば、100時間という月があっても・・・という話もいろいろあるので、年間通して繁閑があるのだと思います。先ほど、教育委員会会議で、県立学校の1か月分の集計データについて報告をさせていただきました。当委員会での報告は、県立学校の分析を行い、小中学校の3か月分のデータがそれぞれ出てきた段階で、分析し、中間報告のような形で当委員会にも御報告させていただく予定でおります。その点については何とぞ御理解をいただきたいと思います。

 

◎佐藤正幸委員 これは党派を超えてというか、立場の違いを超えて、教育長が言われたように喫緊の課題というふうになっていると私も思います。子どもの教育にとっても、教職員の生活と誰より県にとっても本当に大変な問題だというふうにおもっております。教育長からもお話しあったとおりに、県内の県立高校、特別支援学校の時間外勤務の状況も全日制で4人に1人、1ヵ月ということですけれども、そんな状況もあるようです。教育長も新聞報道によると、これは教員定数の抜本的改善が必要だという発言もございました。国ができなければ県として教員定数を増やすということも含めて私は抜本的な対策が要るのではないかということは指摘はしておきたいというふうに思います。次の質問なんですが、この長時間労働にも関連するんですけど、特別支援学校における教員の配置状況、これは委員の皆さんもご存知のとおり、去年の12月議会で特別支援学校の教職員不足の改善などを求める請願が出されまして、私が紹介人となりました。この請願の中にもあるんですが、2016年の県内の特別支援学校の教職員の配置、これは国で決められた標準法でいうと827人の特別支援教員が必要だけれども、実際の配置は762人、充足率といいますか、割合は92.1%ということでございました。そこでお聞きしたいのは、充足率というんですか、全国的にみると石川県はどの辺にあるのか、高いのか低いのか、その辺は県教委としてはどんなふうに認識されているのかということをまずお尋ねしておきたいと思います。

 

◎田中新太郎教育長 28年度のお話がございました。まず質問にございました全国の状況で比較しますと、ちょっと数字は言い方が変わりますけれども、例えば全国平均との比較でいいますと、児童生徒一人当たりの教職員数についての調査がございまして、各学校基本調査のデータでわかるわけでございますけれども、これを見ますと本県は、児童生徒1人当たりの教職員数は0.66人、全国平均は0.64人でありますので、若干上回る配置になっているのが現状です。

 

◎佐藤正幸委員 私、委員長の許可を得てパネルを持ってきたのですが(パネル提示)、県教委はいつも国の標準定数における実際の配置についてのお話をされるのですが、今日はこの、全日本教職員組合が調査したものをもってきました。いわゆる、この左が充足率。石川県はここにあるように、92.1%なんですよ。全国平均は、大体90何%でしょうね、全教の調査でいうと98%くらいでしょうか。90%をきる県が2県ほどあるんですが、いわゆる90-95%の県は5県程度しかないんですよ。逆に100%、充足率を超えている県は16県もあるわけです。これだけみても、子ども一人当たり云々という話はそれはそうなんでしょうけれども、実際に充足率ということから考えますと、やはり低い割合になっているというのが、私は実態ではないかというふうに思うんです。ですから、請願の中にも書いてありましたけれども、現場からどのような声があがっているかといいますと、教員1人で、2台の車椅子を押すと、実際これは危ないと。発作のある子どもについては片時も目は離せませんし、多動症やトイレ介助が必要な子のそばについてあげることができない、といったような実態もここでは起こってきているわけです。ですから、私はこの分野に教員を増やしていくということも、ぜひ真剣に取り組んでいただきたいというふうに要望しておきたいと思います。次に質問変わりますけれども、もう2点ほど。1点目は、文科省が3月31日に告示した新学習指導要領についてお聞きしたいと思うんですけれども、ここでいろいろ書いてありますが、ひとつは英語教育の低年齢化、それから中学校の英語の授業は基本的には英語で行うといったような内容改訂がなされたというふうに私は理解しております。ただ、いろんな意見があると思うんですけど、識者の方から聞いた話では、確かに英語の授業で刺激を受けて、英語に関心を持つことはあるかもしれない。しかし、幼少期から英語を教えれば話せるようになると思いがちであるが、過度な期待はあまり抱くべきではないといったような声もあります。例えば小学校3年生ぐらいから英語に触れさせるぐらいであれば、国語の作文の授業を増やすほうが大切。国語力が低いままで幾ら英語を教えても、理解するという点では、不十分な点があるのではないかと。私は英語教育の低年齢化についてさまざまな意見があると思うのですが、そもそも県教委としては、英語教育の低年齢化についての基本的な見解、どのようにお考えなのかということをお尋ねしておきたいと思います。

 

◎田中新太郎教育長 新たな学習指導要綱で今小学校5、6年生が行っている英語活動を3、4年生に繰り下げる。もちろんボリュームは少なくし、内容も軽いものとなります。その上で、5、6年生を強化するということが今打ち出され、実行に移されようとしているわけであります。これだけグローバル化が進んできた中で、子どもたちが将来必ずコミュニケーションツールとして英語力というのは必ず必要になってくると思っております。そういった意味で、幼い時から英語の力をつけるということは、これからの時代には必要不可欠であると思っております。少し昔話をさせていただきますが、実は前回の10年前の教育課程の指導要綱改訂のときにそういう議論が国等々で行われていたと私は承知をしております。国語が先であると。国語の理解も乏しいのに、英語を学んで一体どうなるんだといったようなお話であったんだろうとおもいます。そういった中で、例えばこれは事実を申し上げますと、韓国、中国、東南アジア等々では2020年から小学校での英語の教科化がスタートします。日本は20年ほど遅れているということもあるんだろうと思います。それが今回の改訂の中で実行に移されました。海外の状況、他国の状況、これからの世の中を見たときに必要であると判断され、今回決まったものだと私は理解をしております。ただ、国語教育についてもアクティブブラーニングの観点を入れ、さらに充実をするということがあわせて進学習指導要領には入っておりますので、おっしゃるとおり、日本語もしっかり学んでいただいたうえで、将来必要となる英語力も幼いうちから、少しずつつけていくことも併せて必要だと、私は思っております。

 

◎佐藤正幸委員 あまりこれ以上立ち入ることはしませんが、先ほど識者の方はグローバル化という言葉に大人が翻弄されすぎではないか、という声もあることを踏まえて適切な対応をお願いして、これで最後にしたいと思うんですけど、同じく新学習指導要領について、この中で中学校の保健体育の武道で選択できる種目の例に「銃剣道」が突然加わることになり、非常に大きな不安が広がっております。私も改めて銃剣道とはどのようなものかというふうに調べてみたら、防具をつけた状態で小銃に似せた木銃を相手の喉とか胴の部分を突く競技で、旧日本軍の格闘術でもあるとのことです。中学校の先生に聞いたところ、中学校の剣道では突きは禁止されているとのことで、確かに私も中学校の時に剣道をしましたが、突きは禁止されておりました。一方で、突きが主体の銃剣道が加わることになる。私、この銃剣道の種目の是非についてとやかくいうつもりは全くありません。この銃剣道が教育現場に持ち込まれることがどうなのか、という角度で質問したいんです。要はこういうものを中学校の子ども達に教えていいものなのか、あるいは指導者に自衛隊が関わってくるのではないか、こういう不安や疑問の声があるわけです。この銃剣道が中学校の保健体育の種目の一つになったことを県教委としては、どのように理解しているのかということを最後お尋ねしておきたいというふうに思います。

 

◎田中新太郎教育長 銃剣道が入ったというお話がございましたけれども、実は改訂前の新学習指導要領でも学習指導要領に明示はされておりませんが、「など」の中で別の参考資料の中に例示されておりまして、もともと銃剣道もこれまでの改訂前の学習指導要領でもできる規定の中に含まれていたと私は認識しております。今回の改訂に合わせまして「など」で別の参考資料で例示されていた他の武道とあわせて、今度は学習指導要領の本体に「など」ではなくて、明示をしたというふうに私は理解をしております。そういう意味でもう一つ申しますと、武道で銃剣道が適切かどうかというお話もございましたけれども、戦時中の話は確かにそういう指摘もあるかとは思いますが、そのあとは武道としての確立を図ってきておりまして、国体の種目にもなる、あるいは武道のちゃんとした連盟もある、例えば銃剣道の競技人口も約3万人にまでなってきているということで、日本武道協議会の構成にも入っておりますし、そういうことで今回、もともと参考資料にはいっていた他の武道の「など」で示されていたものと一緒に今回本文に明示したというふうに私は理解をしております。ただ、さまざまな御意見があることは報道等で私も承知をしておりますが、大臣もこれはできる規定でございまして、やらなければならないという話ではありませんので、例えば競技人口の多い地域とか市町があるかもしれません。そういったところで地域の実情も踏まえて必修の柔道などに加えまして、銃剣道もできるということになったというだけでありまして、決して文部大臣が銃剣道を推進する意図はないという答弁もされていると承知をしております。

 

◎佐藤正幸委員 私、冒頭申し上げましたように、この種目についてあれこれいうつもりは全くございません。各県ごとに連盟もありますし、報道によればこの連盟、先ほど教育長がいわれたように会員が3万人いるとのことですが、そのうち9割は自衛隊だという報道もあります。パブリックコメントもやる中で、さまざまな意見があったということも、これは報道されているとおりです。ですから今、教育長言われたようなことで、ぜひこういう懸念があるということをしっかり認識したうえで、これも適切な対応を求めておきたいというふうに思います。

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