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机上の避難計画では住民の命と安全は守れない―佐藤県議が厳しく追及(2013年5月27日)

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県議会防災対策特別委員会(2013年5月27日)での佐藤正幸県議の質問(大要)

●佐藤:手が上がらないようでしたので、最初にやらせていただきます。
まず、報告のありました原子力防災計画編の、特に石川県避難計画要綱、この分厚い資料、これについて若干お聞きしたいと思います。
 報告ございましたように、820町会約15万人の人たちを避難させなければいけないと。そういう原発にいつまで頼り続けるのかということ、そのものが今問われていると私は思います。
それで、避難ルートが具体的に示されております。この4ページから5ページにかけて、特に志賀原発周辺の人たちがどこに逃げるのかというルートですね、例えば志賀原発から国道249号線に向かって北に逃げるパターン、あるいは南に逃げるパターンとあります。風向きによっては放射線物質がたくさん飛散している方向に逃げることになる可能性があるわけですよね、福島の状況をみると。そういう点では、これは機械的に適用するわけにはいかないと私は思っております。
 その点で、昨年、この委員会でも紹介されましたけど、国が放射性物質の拡散シミュレーションですね。シミュレーションを去年既に発表してますから、これ自体不十分だと思うんですけど、こういうシミュレーションで風向きとか検討したんでしょうか、防災計画・避難ルートをつくるときに。まず、お聞きしたいと思います。

●浜田孝危機管理監:今、昨年の国の拡散シミュレーション、今回の避難計画要綱に検討したかということでございますが、原子力規制員会の方では国際原子力機関、こちらの方で避難の基準を作っております。そういった国際機関の基準、あるいは福島の事故を踏まえて平素からの避難等の防災対策を講じておく重点区域、これはUPZと言われておりますが、これが本県では先ほど30キロメートルに設定したというふうにご説明をいたしました。
 各自治体が各自治体の原子力防災計画の中で、こういった範囲をどのように設定するか、参考にするために昨年の拡散シミュレーションを実施したということです。本県の場合、このシミュレーション結果によりますと最大で18.3キロメートルということで、この30キロメートル、国際機関が定めた30キロという基準、国の指針が定めた30キロという基準、そういったものの範囲内におさまっているということもございまして、国の指針も踏まえながら拡散シミュレーションを参考にして原子力防災対策部会の方で議論の上、30キロメートルという区域を定めたわけです。
 この重点区域の範囲外の市町では、これは万が一の事故があった場合、事故の対応とか気象条件、その時々の気象条件等がこれはどのような状況であっても対応できるようにあらかじめ防災計画を策定するなり、避難計画を策定するなり、こういった平素からの防災対策を講じておきなさいということになるわけです。
 従いまして、拡散シミュレーションで基準に達しない地域であっても、やっぱり30キロメートルの範囲内にあれば平素からあらかじめこういった避難計画というものを準備しておく、考えておく必要があるということになりますので、今回の拡散シミュレーションはあくまでどこまで最大限で基準を超える範囲が広がるということをシミュレーションしたものであって、避難計画と直接リンクをさせたものではないということをご理解願いたいと思います。

●佐藤:今リンクさせたものではないというふうにおっしゃいましたけれども、そんなことだったら実際、先ほど指摘したような放射性物質が高く飛散している方向に逃げることになりかねないわけですよ。そんなことをここで機械的に当てはめたら大変なことになると私思うんですよね。
 地元の県会議員の皆さんご存じだと思いますけど、ルートを別にまた山を越えて逃げるルートもあると思うんですよ。東側の方になりますかね。そういうルートもしっかりと明記をしておく必要があると私は思うんですね。机上の計画になっていると指摘せざるを得ません。
 それで、私たまたま見つけたんですけど、岐阜県は県独自でシミュレーションやっているんです、実は。季節ごとに。これは岐阜県は敦賀原発と隣接している県ということで、季節ごとに放射性物質がどう拡散するかやっているんです、シミュレーションを。立地県でない岐阜県でやって、何で石川県でこのことをやれないのかと。本当に命と安全を守る上ではこうしたシミュレーションぐらいはぜひやっておくべきだということを私は求めておきたいと思います。

 次の質問に移りますけど、今お話しした敦賀原発の2号機の直下の断層は活断層ということを規制委員会の専門部会でまとめるということは皆さんご存じのとおりです。それに関連して私お聞きしたいと思うんですけど、ちょっと委員長の許可を得てパネルを持ってきましたので(パネル展示)。
20130527boutoku si-mu8 志賀原発の直下のいわゆるシームですね。S-1といわれるシーム、ここにあるこれです。S-1のほかに断層が7本あるわけですね、シームと呼ばれるものが。私、最初、北陸電力の説明を聞いた時に、なんでこんなにシームと呼ばれるのが8本もあるのか、非常に不思議だったんです。そこで県としては志賀原発の直下になぜS-1を含めたシームと呼ばれるものが8本あるのか。なぜこういうものができたのかということを、まず基本的なことを私お聞きしておきたいと思います。
 

●危機管理監:今のシームのお話、お答えする前にちょっと補足して、避難の割り振り等についてちょっと捕捉をしたいと思います。これは佐藤委員おっしゃるように、その時々の事故の状況、気象状況、これに応じましてどちらの方向へ避難をしていくか、これはやっぱり柔軟に対応するということは当然のことです。県がこういった一時避難先の基本的な割り振りを行ったというのは、こういった割り振りをあらかじめ定めておくと、いざという時に臨機応変な対応もスムーズにできるという思いで各市町と相談をしてこういったものを決めたわけです。
 万が一の時には30基、モニタリングポスト等もございますので、それからかも可搬式のモニタリングポストとか、様々な資機材を総動員して実際に放射線量の状況を観測、測定をしながら避難範囲を決めていくということになるかと思いますので、そこは臨機応変的な対応というのは、ここは我々も十分心がけていくつもりです。

 それから、今のシームのお話でございますが、今は敷地内の破砕帯の調査というような言い方をしておりますが、この破砕帯がどういうふうにしてできるかというのは、一般的に大きく分けて2通りあるといわれております。一つは溶岩が冷えた時にできたひび割れの間に細かな岩石が入り込む場合、これが一つ。それからもう一つは、断層がずれた際に断層面がこすれることによって岩が砕けて帯状に弱い部分が出来上がると。こういった2通りがあるといわれているということは、私どもも承知をいたしております。断層がずれた場合、岩盤の割れ目は一般的には深いところまで及んでいくだろうということも言われております。志賀原発敷地内のS-1破砕帯でございますが、北陸電力の方ではボーリング調査、今の追加調査の中でボーリング調査を実施しております、地中深くまでは続いていないということはこれまで確認しているということは中間報告の中でも記載をしてございましたし、それから原子力規制委員会についてはこういったことも報告されておりますので、国の方、各関係各界の方から推薦を受けております専門家で評価していくことになりますので、そういった中で今のは含めて審議がされていくというふうに考えております。

●佐藤:8本のシームができたという、二つの理由が今お話ありましたけれども、私また委員長の許可を得てパネルを持ってきました。(パネル提示)
20130527boutoku assyuku これは細かなことは別にいいんですけど、要は専門家によると岩石に強い力を加えたときにどういうふうになるかと。こういうひびが入ってくるわけですよね。ちょうどここのひびが120度になる。これ見ますとさっきのシームとちょうど同じなわけですよ。ここが120度ですね。ですから、こちら海側、山側、東西方向に強い力が加わってということが過去にあってこういうシームができた。今もその力は、志賀原発の岩盤の下では、その力が動き続けているわけですよね。今、地震の活動期に入っているといわれているときに、こういう原発は立地不適格だと私はあらためて思っています。
 

 このシームができたのは、原発周辺の富来川南岸断層とか福浦断層とかがずれて、そのことによってここに強い力が加わってこういうシームができたわけなんですよ。またこれが動くかもしれないという危険が私はあるなというふうに思うんですよね。これは新たな知見だ思うんです。
 

 そこでお聞きします。北陸電力のホームページ見ますと、4月26日に国に新たな知見を16件報告しました、と書いてあります。この1年間かけて北陸電力として、地震の関係で新たな知見を16情報として収集しましたという報告です。この16件の中に、この間私が指摘をしてきた、たとえば富来川南岸断層が活断層であるとか、あるいは福浦断層が活断層であるとか、そういう知見はこの16件の中に含まれているのかどうか、ここをお聞きしておきたいと思います。

●危機管理監:北陸電力のほうでは国の指示に基づきまして、毎年度1年間、原子力施設の耐震安全性に関しまして新たな科学的、技術的知見、これがあれば収集して、翌年度の4月末までに規制委員会の方へ報告をすると、こういったことになっております。
 今回の国への報告というのは、平成24年度中に公表されました国の機関等の報告、それから関連学会、協会等の大会報告あるいは論文等、それからこういったものについて幅広く情報を収集しまして、その中から原子力施設の耐震安全性への反映の観点、こういったものを考慮しまして、新知見情報となる可能性のあるものを16を選んで報告をしたというふうに聞いております。
 

 今ほどお話しがございました、こういった文献の中に富来川南岸断層とかそういうことに関する調査報告、これについては地形面の年代に関します情報がその中には全くなかったというようなこともございまして、新知見情報としては選定を残念ながらしていないというふうに聞いております。
 なお、この富来川南岸断層にお関します調査結果でございますが、私ども調査をしました日本科学者会議石川県支部等のほうから原子力規制委員会の方へも報告がされているというふうに聞いております。今後、規制委員会におきましてこうした情報も含めて適切に取り扱われるものというふうに考えております。

●佐藤:今、明確にお話にあった通りに北陸電力は富来川南岸断層や福浦断層は活断層ということ、この知見を収集して国に報告しているということをやっていないわけですよね。もっといえば無視しているわけなんですよ、北陸電力は。そういうことでいいのかどうか、私は今問われていると思うんです。
 私は、本会議でもこの特別委員会でも繰り返し富来川南岸断層の問題なども取り上げてきました。それを北陸電力は無視しているわけですから、私はこれは非常に大きな問題だと思います
 そういう点で、私は北陸電力まかせやあるいは県まかせにしないで、この委員会としても委員長ぜひ、先ほどあった科学者会議の立石教授とかもこの場に呼んで、北陸電力の説明だけ聞くんじゃなくて、やっぱり批判的な人たちの意見も議会としてきちんと聞いて、今後の対応を検討すべきではないかと。
 委員長、ぜひそういう点では原発に批判的な立場をとってこられた委員長ですから、私期待をしておりますので、ぜひこの委員会に参考人として招致をして、そういう意見を聞く場をぜひ設けて欲しいと最後に要望しておきたいと思います。
以上で終わります。

●佐藤:簡潔に一点だけよろしくお願いいたします。時間があるようですので。
本質的なことは先ほどるる質問しましたが、避難計画の要綱で市町単位の避難先の割り振りはあるんですね。輪島市はどこに移動するとか、志賀町の方はどこに避難するとか。私どうも理解できないのは、志賀町の方々は2万2000人、能登町に避難される方は1万4000人、これは分かるんですね、北の方にと。他の方1万5000人、白山市に避難するわけですよ。何で金沢飛び越して白山市まで避難するのかな。というのは、率直にいえばどっかに丸投げして、あまり地域の実情を考えないままこういう計画を作ったのではないかなと。どうなんですか、その辺は。さっと避難したときに、それは金沢に来れば済む話じゃないんですか。それをなぜわざわざこんな風にしたかというのがちょっと私わからないんです。

●危機管理監:実は志賀町と白山市、災害の応援協定、去年結んでおります。そういうこともあって、白山市の方でそういう志賀町の避難住民、これきちっと面倒をみますよと、こういった話があって両市町の思いでこういった形になった。白山市、志賀町両方の思いがこういう形であるということをご理解願いたいと思います。

●佐藤:それはそういうことかなというのはわかったたんですけれども、ただ、実際はそうなんでしょうけれども、金沢に来れば済む話ではないんかなと私は思うんです。要はきちんとせっかくこういう中身作ったこと自体は私は非常に大事なことだと思いますし、そういう意味ではご苦労もあったんだと思います。だけど、実際に本当にこれが実情にかみ合ったものになるようにきちんとやっぱり地域の実情に応じて具体化していくということが大事だし、もっといえばそれやろうとしたら実際できないと思うんですよ。どうやって15万人の方、移動させるんですか。

(稲村健男委員:起きたことを想定しないと、起きないことを想定しているんじゃない。)
 

 起きたことを想定してやるわけですから、じゃこのまま15万人の方どうやって移動させるんですか。本当にそのことをやろうと思ったら、私はもう原発に頼るべきじゃないと、そういうふうに私は思いますので、最後に発言して質問を終わりたいと思います。

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