20日、健康友の会能登中部ブロック事務所(羽咋市)に多くの人が集まってきました。石川民医連・石川県健康友の会連合会が呼びかけた「羽咋地域の地震被災者訪問行動」に参加する人たちです。
訪問行動に出る前に、野口卓夫羽咋診療所所長から「羽咋地域の被災者は『輪島や珠洲の被害に比べたら自分たちは恵まれている』と自分たちのおかれている状況に我慢する傾向がある。それでも大変な状況におかれている人がいるので、よく話を聞いてきてほしい」と激励がありました。
羽咋市若草町は、新しく建った家もある住宅地です。家族総出で家の中の壊れた物を軽トラックに乗せている家がありました。「何か困っていることはありませんか?」と声をかけると「家は大丈夫だったけど食器などが割れた」「今運び出しているところや」と返事が返ってきました。「余震が続くけど夜はちゃんと眠れている?」と聞くと、「あまり眠れていない」とのことでした。最初と二本目の通りは外観上は壊れている印象はありませんが、次の通りに入ると様相は一変しました。液状化で水道の引込管や下水の配水管が壊れた家、車庫が傾き車庫内のコンクリートが大きく捲れ上がった家などが目に入ります。
その内の一軒では、高齢の女性が「傾いた家にそのまま住んでいる。平衡感覚がおかしくなり目まいがする」「夜は不安で照明をつけたまま寝ているが、よく眠られない」「食欲がなくなった」と訴えました。近く医療機関に受診するとのことで、「主治医の先生に、今の症状をちゃんと話すように」と話し、この家をあとにしました。
地震発生から3週間が経過し、避難所生活をおくっている人や破損した家に残り生活を続けている人も、これからどうなるのかどうすればよいのか、なかなか先が見えない中で続く余震に恐怖を感じながら日々をおくっています。物資の支援、ライフラインの復旧は当然ですが、心のケアにも手を当てていくことが求められています。